連載小説 追憶の旅  「第2章  千晴との出会い」
                                 作:夢野 仲夫

           ラブホテルでの絆
 千晴との出会い96 通算411
 良が舌で彼女の歯茎に触れるとと、待っていたかのように舌を絡(から)ませた。
  「う〜ん…」 感じているのか身体を捩(よじ)らせた。
  「立っていられない…。頭の中がボーとしているの…。」 二人はそのままベッドに横たわった。 シャツの上からそっと豊かな膨(ふく)らみに触れた。
  「キャピー、ブラジャーが変わっている…。」
  「それ以上言わないで…わたし…恥ずかしい!…」

 千晴との出会い97 通算412
 以前は厚手でがっちり胸を守っているそれであった。それが薄手で小さめのブラジャーに変わっていた。
 着ているシャツの上から触れる良の手の感触が、より伝わり易いそれであった。良に触れられることを期待していたのだ。千晴の精一杯の背伸びを感じた。
  「キャピー。」「うん?」
 「君は、君は…」「どうしたの?」
  「君は…可愛くてたまらない!」「うれしいッ!」 千晴はさらに抱きしめる手に力を込めた。 」

 千晴との出会い98 通算413
 彼がシャツの下から手を入れようとすると、一瞬だけ身体をこわばらせたが、彼のなすままに身を任せた。良の手にツンと尖った乳首の感触が伝わった。ブラジャーの上から豊かな膨(ふく)らみに触れながら、良は首筋に舌を這わせた。
 「あ〜ん…」−悦びの声を漏(も)らした。 「リョウ君、暑いわ…じれったいわ…どうして?どうしてなの?…」 彼は千晴の服を脱がし始めると積極的に協力した。

 千晴との出会い99 通算414
 千晴の上半身はブラジャーだけが残された。最後の一枚を取り去ろうと焦(あせ)れば焦(あせ)るほどモタモタした。
 「うふ。」 彼女が含み笑いした。
  「リョウ君は女性の経験豊富な人だと思っていたけど、意外なのね。」
 「俺、そんなに経験ないよ。」
 「だってリョウ君は女性にモテモテでしょ。」
  「俺はダメなんだ。一度だけの遊びができないタイプだから。すぐに尾を引くのを自分が一番良く知っているし…。」
 「うれしいッ!リョウ君。」

 千晴との出会い100 通算415
  「自分で取るぅ。」−千晴の上半身のすべてが露(あらわ)になった。
  「キャピー手をよけて。」
 「恥ずかしいッ。」 彼女の上半身は健康的な美しさに満ちていた。仰向きになっても豊かな乳房の形は壊れなかった。
 「スカートも脱ぐ。」 彼女を覆(おお)っているのは小さなショーツだけだった。やや背丈は小さいながらも、グラビアアイドルにも決して引けを取らない美しさだった。
良はその美しさに見とれた。

 千晴との出会い101 通算416
 「キャピーがこんなに美しいなんて!」 思わず良の口から出た。服を着ていても分かっていたが、これほどまでとは思わなかった。
  「足が太いのがコンプレックスなの。太いでしょ、私の足。」
 痩せれば美しいという社会風潮があるが、良はそれに否定的だった。健康的な彼女の足は良には眩(まぶ)しいほどに美しかった。
  「眩(まぶ)しいほど美しいよ。」−良は素直に口にした。

 千晴との出会い102 通算417
  「ホント?リョウ君。本当にそう思ってくれる?」 恥ずかしそうに身を硬くしていた。 彼は千晴の乳房に唇で触れた。愛(いと)しい千晴の身体を左手で抱きしめながら、右手と唇で愛撫を続けた
。「ア〜ン…ア〜ン…」 彼女の口から抑(おさ)えた悦びのため息が断続的に流れた。恥ずかしさと悦びの間で揺れているようであった。
 「リョウ君も脱いで…。わたし、一人だけ裸なんて恥ずかしい…。」

 千晴との出会い103 通算418
  「キャピー手伝って…。」
 「甘えん坊のリョウ君…。」 彼女は彼の脱衣を手伝った。ズボンを脱がせようとしたとき、偶然、彼女の手が彼の下半身に触れた。驚いたように慌てて手を引っ込めた。
  「キャピー脱がせて…。」 彼女は恐る恐る良のズボン脱がせた。一枚の布を持ち上げる彼の下半身に驚いたのだろう、彼女は横を向いたままだった。

 千晴との出会い104 通算419
  「リョウ君…リョウ君…。」彼女はガタガタと身体を震わせていた。
 「大丈夫だ、キャピー。俺は君の嫌がることはしない。絶対にしない。全部脱がせて…。」 言われるままに千晴は彼のパンツを横を向いたまま下げようとした。
  「無理、リョウ君、下がらない…。無理。」 彼は自分ですべてを脱いだ。 二人はそのままお互いの唇と舌で遊んだ。
 彼の下半身が彼女の身体に触れる度に、彼女は身体をよじった。

 千晴との出会い105 通算420
  「キャピー、背中をかいて…。」
  「どこが痒(かゆ)いの?」 抱き合ったまま手を背中に回した。
  「ここ?」「もっと下。」
  「じゃ、ここ?」「もっと右。」
  「うふッ、リョウ君って、まるで子どもみたい。」  そう言いながら千晴は良の背中を、愛しい我が子に接するようにかいた。 良から強い欲望が薄れて、幼いときに母に抱かれた時の記憶が蘇(よみがえ)った。


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          第2章 千晴との出会い(BN)
 (0316〜) 華やかなキャピー(佐藤千晴)との出会い「広松食堂」
 (0320〜) 千晴との初めてのデート
 (0329〜) 美しいゆえにに悩むキャピー
 (0351〜) 2回目のデート「蕎麦処 高野」
 (0371〜) 海が見える高台で…
 (0383〜) 手打ちうどんに喜ぶキャピー「手打ちうどん 玉の家」
 (0396〜) 過去に縛られる良への怒り
 (0410〜) ラブホテルでの絆
 (0431〜) 夜の初デート「和風居酒屋 参萬両」
 (0439〜) 良のアパートで…。
 (0471〜) 恵理・美紀と「手打ち蕎麦処 遠山」 
 (0481〜) 美紀のマンションで長い夢
 (0531〜) キャピーと初めての1泊旅行
 (0545〜) 2人で入った寿司屋に美津子が…「寿司 徳岡」
 (0556〜) 美紀と得意先に営業
 (0582〜) キャピーとの別れの真相
 (0611〜) 美紀が恵理に宣戦布告「イタリア料理 ローマ」


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