その2 「深川の湯」
 *今回の温泉は03以前に書いた物です。

 広島市の郊外にある数少ない温泉の一つ。広島市街から行けば、温品を少し越えて右折し、山の方に少し入ったところにある。広島駅からは30分前後で着く。男湯と女湯が毎日交互に入れ替わり、それぞれ特色のある湯船がある。

 季節にもよるが、私は露天風呂が好きで、どの温泉に入っても好んで露天風呂に入る。内風呂では味わえない何とも言えない開放感がある。

 温泉からでると私は必ず体重計に乗る。しかし、ここで誤解をしないでもらいたい。体重を気にして体重計に乗っているわけでは断じてない。体重を気にするような了見の狭い人間では決してない。

 女性などに見られる50gを気にするような人間とは根本的に違うおおらかなタイプの人間である。そんな小さなことを気にするなど、私には到底理解できないのである。

 そんな小さなことよりも、温泉の体重計が正しく作動しているかどうかをチェックしているに過ぎない。言いかえれば、科学的な視点でやっているのである。体重計はNASAで使う機器のように正確無比なものではない。かなりの誤差があるのは当然ではないか。(と思う?) 
 
 万一、NASAで使うような機器であれば数千万円はするはずである。(たぶん) 1000円以下で入れる温泉に、それほど高価な体重計が置かれているはずがない。正確に作動しているかどうかを誰かがチェックする必要があるではないか。その誰かが私に過ぎない。

 深川の湯の体重計はデジタル標示でなく針標示である。乗っているときにかなり揺れて1〜2kgの差がある。私自身の個人的な問題ならば、その程度の誤差はまったく問題がない。なぜなら、そういう小さいことを気にするような小さい人間ではないことをすでに理解している人にはいまさら説明するまでもないことであろう。

 しかし、これは近代の科学の評価が問われる重大な問題である。軽軽しく結論を出せるような問題ではない。最も重い点か最も軽い点か、それとも真ん中あたりを読むのが正しいのか判断に苦しむところである。

 水の体積をメスシリンダーで測定するとき最も低いところを見ることを考えると、当然最も軽いところが私の体重と見るのが科学的ではないであろうか。おそらく、万人がこの意見に賛成するであろう。

 だが待てよ。私は温泉に入る前に水を一口飲んだから、その重さだけ差し引いたのが、より正確ではなかろうか。さらに、ブリーフをはいての計測では正しくないのではなかろうか。ボクシングの選手の体重測定では脱いでいるではないか。私の思考はますます緻密になっていく。

 何度もいうように、私は決して体重など気にする人間ではない。近代の科学のために、もう一度ブリーフを脱いで計ってみよう。これでもまだ私の思う体重と比べると若干重いようだ。どこにその原因があるのだろうか。もう一度温泉に入って考えてみよう。すべては近代の科学のために!

「深川の湯」
住所:広島市安佐北区小河原町199番地
営業時間:10:00〜24:00
料金:700円
泉質:中国地方に多いラドン泉

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