その5 「羅漢温泉」
 *今回の温泉は06以前に書いた物です。

 広島県廿日市市の「羅漢温泉」は知る人ぞ知る温泉である。当然私も知っている。知っていなければ行くことは不可能である。他の人に連れて行ってもらうことは可能だが、その人が知らなければ連れて行ってもらうことはできない。これで「羅漢温泉」が有名であることがお分かりであることを理解していただけるであろう?

 それでも中には知らない人もいると思われるので、少し説明を加えると、小瀬川温泉をさらに奥に進むと左側に喫茶店らしき店がある。この店が「羅漢温泉」を経営しているらしい。

 ところで、ここに来る途中の信号待ちのとき、若い女性のドライバーと目が合った。そのうら若き女性が私をじっと見ている。その理由は私には即座に理解できた。やはり私がキムタクに似てハンサムであるからであろう。いや、「だろう」という推量ではなく「である」と断定表現のほうがはるかにふさわしいが、根が謙虚な私ゆえの奥ゆかしい表現をしたに過ぎない。

 同乗している弟子の「優香」に話すと、とんでもないことをのたまうではないか!「変なおっさん」と思っているに違いない…女性というのはなぜ物事を素直に見れないのであろうか?うら若き女性がじっと私を見ている事実と、私がキムタクに似ているという事実からは他の結論はどう考えても出ない。

 「空家先生」は間違っています。第一に先生はキムタクにまったく似ていない。その上キムタクほど若くもない。た、たしかに私はキムタクより年を取っている。しかし若い方がいいというのは偏見に過ぎない。若い方がいいなら、生まれたばかりの赤ちゃんが最もいい男ということになる。年齢を経たことでキムタクより魅力的なシワを持っているのだ。キムタクがうらやましがる「すばらしいシワ」を彼女には理解できないのであろうか?

 私がキムタクに似ていないというのは、私のどこを見て言っているのであろうか?多くの読者は「私には目があり、鼻があり、口があると言う」と思うだろう。じ、じつはその通りである。

 しかし、もっと人間を根本的に考えると、私とキムタクとはほぼ同じであるという結論に達せざるをえなくなる。彼も私もその身体の大部分は水分である。たんぱく質の量もほぼ同じである。違いと言えば脂肪の量がやや多いに過ぎない。

 世界の人口は今後爆発的に増えるのが予想される。その人口増に対応できる食物の生産量の増加は期待できない。いずれ食糧危機の時代がやってくる。その時代に生き延びるために今から脂肪を蓄えているのである。この私の深慮遠謀を弟子が理解していないだけである。賢明なる読者には理解していただけるであろう。
 羅漢温泉
 住所 広島県廿日市市飯山「スナック喫茶 らかん」
      単純弱放射能泉
   相当のマニアが好む温泉ではないかと思う。湯船には2〜3人しか入れない。本当に小さい温泉である。しかし、はるばる山口県から訪れる常連客もいる。「ここが一番落ち着く」そうである。休憩所からは小瀬川のせせらぎが聞こえ、その風景は都会の喧騒を忘れさせてくれる。大規模で設備が整っている温泉に慣れた人には向かないかも知れない。


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