食べ物評論家田部亭 空家 (たべて からいえ)の
温泉評論その23  「
湯之元峡 長者温泉


 呉市から黒瀬に抜ける新道?沿いにある小さな温泉で、見落とす人がいるかもしれない。名前がいいので、私も一度浸かってみたいと思っていた。湯船は室内に一つと、酒露天風呂?があるが、現在露天風呂は使っていないようだ。芋を洗
うような大勢の客では落ち着かない人には合っている。私の感じでは四十度を少し切っている「ぬる目」を保っていて、ゆったり温泉に入ることができる。

 ところで、最近は女性の地位が著しく向上し、それに伴って逆に男性の地位が一気に下がっている。男性と女性の地位は相対的な関係なので、片方が上がればもう一方は下がるのは必然であろう。

 昔なら恋愛が壊れたとき「泣く」のは女性が多かった。しかし、現在では太陽が西から上がるほど考えられない状況である。失恋してヨヨヨと泣き崩れるのは男性であろう。こういう弱い男性たちにとって、今回の私の温泉評論は「神の福音」と言っても決して過言ではない!(おそらく)

 「フラレても、世界の人口の半分は女性だから…」と私が言うと思った、そこの君!それは大間違いだ!私はそのような紋切り型の「慰(なぐさ)め」は言わない。なにせ、長者温泉に浸って深い思惟にふけっているのだから…。

 世界の人口の半分が女性であっても、その中で出会う人の数は限られている。三十億人に出会えるはずもない。せいぜい、四、五万人であろうか?その中には赤ちゃんもいるだろうし、百歳を越えた婆さんもいる。「世界の人口の半分は女性」などは何の慰(なぐさ)めにもならないのは明々白々である。チッ、チッ、甘いぜ!!

 「あの女性にはいろいろ問題がある」−とフラレた女性の欠点を取り上げる方法を思いつく人もいる。これは一見効果がありそうだ。だが、諸君!本当にそうであろうか?こういうことを言う輩(やから)は恋というものを知らない人である。(きっと)

 そもそも恋愛とは「大いなる錯覚のなせる業(わざ)」である。(たぶん) 欠点が長所に見えるのが恋愛である。何かとうるさい女性を、「明るい女性」と感じるのである。根暗を「大人しい」と感じるのである。高圧的を「頼りになる」と感じるのである。ひ弱そうに見えるを「私がついていなければ…」と錯覚するのである。弱い女性など、本当に世界に存在するのであろうか?とさえ私は思っている??チッ、チッ、これも甘いぜ!!

 「結婚は人生の墓場」と説けばいいとアイデアを誇らしげに言う、そこの君よ!それはホンの少しだけ効果がありそうだ。(おそらく) 私のアイデアの足元にも及ばないが、フラれた男性にそれを説くことは「人生を教える」ことになる。私の究極のアイデアからはほど遠いが…

 「ツベコベ御託を並べずに結論を言え!」って。それが君の問題なのです!一度「長者温泉」に浸ってゆったりした気持ちになりなさい。そして、「神の福音」を聞きなさい!

 ところで、現代の技術は目を見張るスピードで進歩している。私などその速さに付いていけないほどである。その中で「失恋を癒(いや)す」最高のものがある。それは写真技術である。現在の写真から十年後、二十年後、三十年後の予想ができるのである。

 鈍感で、イラッチのアナタでも、もうお分かりでしょう?フラレた女性の写真から八十年後の姿を予想してもらうのである。百歳を過ぎた婆さんの姿がそこにある。これでアナタの失恋の傷は一気に癒(いや)されこと間違いなし! だって言うでしょう、百年の恋も一度に冷める!?

*注−ただし、結婚が決まっている人は使用禁止!副作用がある??

 湯之元峡 長者温泉
住所:広島県東広島市西条町御園宇3498
泉質:ラドン温泉
施設:シャワー、ジャグジー
料金:大人1000円

特徴:温泉の設備から言えばやや高めの値段設定かもしれない。しかし、ラドンの含有量は基準値の10倍で、どこにでもある温泉とは明らかにレベルが異なる。さらに、落ち着いて温泉を楽しみたい人には穴場の温泉と感じるだろう。また、変に近代化されていないのも、通には受ける要素にもなる。温泉をどう見るかによって、この温泉の評価は大きく左右されるだろう。


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